TAKADAコラム

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豆知識その1

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今回は浄土宗や禅宗などでお経に使う木魚のお話しをします。

ある時、会館でお通夜の準備も終わりお通夜まで時間があったので式場をチェックしている所へ喪主さまとお孫さまが式場に来られお孫さまの子守をされてました、お孫さまは4歳か5歳くらいの男の子で珍しい物が色々と有るので興味深く喪主さまに「これ何?」「これは、まんまんちゃんの時にお坊さんが座る椅子やで」「これ何?」「これは、まんまんちゃんの時に火をつけるロウソクやで」「フーン、これ何?」「これは、まんまんちゃんの時にお坊さんが使う木の魚って書いて木魚やで」ただ木魚やでって言っておけばよかったのに木の魚って言ったからそこでお孫さまは「なんで魚なん?」喪主さまはつまってしまい「ン~、なんで魚ってン~」そこへちょうどお寺さんが少し早めにお通夜の準備に式場へ来られて「アッ!おじゅっさんちょうどええところへ来てくれはったは」「おじゅっさんうちの孫が木魚はなんで魚って聞きよりますねん、おじゅっさんなんで魚なんですやろ?」そこでお寺様の答えが「それは昔からや」の一言で終わってしまい喪主さまは少し声が小さくなりお孫さまに「昔からやて」お孫さまも喪主さまもしっくりこない感じで沈黙がしばらくあり喪主さまとお孫さまが私の方を見て目が合ったので「喪主さま、さっきのお話し、私ちょうど本で読んだところなんです」と前置きをして木魚がなぜ魚かとお話しをさせて頂きました。

仏法の中で心眼(心の目)目で見えるもの全てに惑わされること無く心の目を開いて相手の気持ちや状況を読み見届けなさいなどの教えがあり、今ではアマゾンなどに目をつむって寝る魚がいるそうですが魚は昔から寝ている時も目を開けて寝ている、魚を見習いなさいと言うような意味合いで魚をモチーフにしたものを常に目にするようにしたのだそうです、ひんぱんに通る廊下の所に魚の形をした板をぶら下げ食事の時や全員に何かを知らせる時などその魚の形をした板をたたき一つの合図にしていて、その板をギューッと縮めてポクポクと鳴るお経の道具にしたのが木魚だそうです。お経の時も心眼の教えを忘れないように、心や頭の中に教えを焼き付けるようにされているそうです。

喪主さまも私の話しを聞き納得をされたようで「あんた、お坊さんよりよく知ってるな、孫にゆっくり話しするわ、ありがとう」、「いえいえ、たまたま本で読んだところでしたので」とりあえずそう言っておきました、世の中に存在するものには全て意味があるんですね、今回はこの辺にしておきます。

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